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「緩い下り坂でのエンジンブレーキの使い方」に関するお問い合わせに対しての回答

福井県、20代の男性 PWEさんからの質問に対して

難しい事を言わなければ、話しは簡単ですね。
1速落とせば済むだけの事です。
5速で走っていた場合には、4速に入れ直す。
緩い下り坂ならば以上の通りです。


しかし、注意点がいくつか有ります。


本当にその坂は緩いですか?

人間の感覚は、案外当てにならない場合が有ります。
勾配が「〇%」と云う標識が設置されていれば、その坂は急勾配です。
下りのときは、「〇%」に対して、上り坂の時の2倍くらいのかけ算で考えておいた方が安全です。


何故でしょうか?

それは、慣性が働くからです。
本当に緩い坂で有っても、下って行く内に段々と加速度が付いて行きます。
つまり、自分はアクセルを吹かしていなくても、時間と共に速度が速くなってしまう事が多々有ります。


だから・・・

ブレーキングは、この慣性や加速度を意識する必要が有ります。
つまりは、「早めの減速」と云う事になります。


減速のタイミングが遅れれば・・・

仮に、エンジンブレーキを使おうと思ってギアを落とせば、急激にエンジンの回転数が上がってしまいます。
もしも、そうなってしまえば慌ててフットブレーキを踏んでも、「根性」でどうにかしようと思ってもすぐに収まるものでも有りま せん。


また、車は曲がらなくなってしまいます。
慣性が大きくなればなるほど、直進する性質が強くなって来ますので、カーブで道路からはみ出してしまいますね。
車や人間が変形する事となってしまいます。
「ハンドルが効かない」のでは有りません。
ハンドルを切れば、車輪はその通りに動こうとします。
そうで無ければその車は壊れていますか?


おまけ:

「ハンドルが効かない」と」言って 思い切り廻し過ぎるからスピンしたり、 テールが流れ過ぎたりします。
下り坂では、重心が前方に偏っていますので、急ブレーキ・急ハンドルによって、移動体は簡単にコントロール不能に陥ってしまい ます。


早めの減速で充分にゆとりが有る時は、ギアを1段落としてスピードを調整します。
後は、後続車に対して減速の合図を送りつつ、フットブレーキでスピードを微調整します。


スピードが出過ぎている状況では、フットブレーキが先行です。
エンジンブレーキによってオーバーレブしない様に。
1段落としてもまだ不足の場合には、フットブレーキで充分に速度(回転数)を抑えてから、更にシフトダウンしましょう。
上り坂の時と同じギアで・・・


坂を登るときは、パワー不足を感じてシフトダウンする事はみなさん普通にやりませんか?
下りの時は、車はどんどん走るのだから、ついつい5速のままだったりしますね。
この時、シフトダウンする様に頭を切り換えましょう。
「下り坂=シフトダウン」と言う公式を決めれば良いだけの話しです。


今でも自動車学校では、ギアを上げる事しか教えていないのでしょうかネ?
昔はこうでした。
1速→2速→3速→ブレーキ→止まる (おっかしぃなぁ!)
      (注:大昔、5速は見た事も無かった)
5速→4速→3速も有りますがー。。。
難しく言えばキリが有りませんが、「ギアを戻す」だけの事ですよね。
「緩い下り坂でのシフトダウン」についてのお問い合わせでしたが、「ぢつは」
普段からの練習(習慣)が原則です。
かなり先の信号が黄色や赤になって、減速あるいは停止の体制に移る際にシフトダウンで 徐々にスピードを落としていれば、自分の車のエンジンブレーキの効き具合が分かって来ます。
回転数の変化も身体が覚える様になって来ます。


シフトダウンして、滑らかにスピードを落とそうと言うときに、1段落とす前にクラッチを切ってニュートラルで空吹かしして   どのくらい回転数を上げてからどこまで回転が落ちるタイミングでギアを入れ直して再びクラッチを繋ぐか?
単に、ギアを落とすだけではどうなのか?
充分に安全な場所で確認致しましょう。


如何でしたでしょうか?
ご満足頂ける回答になっていましたら宜しいのですが。
他にも有りましたら、なんなりとお問い合わせの程を。