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右左折時のクラッチ、に対しての回答

みほさんからのお問い合わせに応えて

熊本の女性からのお便りです。


はじめまして。
今、免許取得のため、自動車学校に通っています。
つい先日、路上での練習中に教官に「右左折時はクラッチを踏んだまま!」と言われ、 他の教官には「右左折時はクラッチは踏まないで!」と言われました。
その時の道幅などの状況にもよると思いますが、右左折時の足の使い方を教えてください。


では、急いで!にお答え致します。

初めに、ポイントを絞りましょう。

  1. 教官の言い方が異なる。
  2. 右左折時の、足の使い方。
  3. 状況により変化!?
  4. 基本とは?

1. 教官によって、教え方が違う−

基本としては、ズバリ、違う教え方に対しても柔軟に対応が出来る様になりましょう。
3. の状況により変化!?とも関連しますが、テクニックに幅を持たせる事は、ある意味で必要な事です。
教わる立場では有りますので、「そうか、そうか」も大切でしょう。
特に女性であれば、素直さを演出した方が楽しく練習が出来るかも。
とは言いつつも、私の場合は、常に対立しながら教わっていましたが。(汗)
教官も、人によって運転の仕方もクセも違いますので、何でも参考意見です。
マニュアルを書く立場で言えば、本来はこう有るべきだ−、と言ったほうがもっともらしくはなりますが、 応用が利く人に対しては、「柔軟に」と申し上げておきましょう。


2. 右左折時の、足の使い方

まず、初めに「速度」が重要な要素です。
高速のコーナリングでは、クラッチを踏む(切る)とタイヤのグリップ力(タイヤが道路にかじりつく力)が低下してしまいますので、危険です。
最悪の場合には、スリップしたり、大きくふくらんでしまって隣の車線に飛び込んでしまう事が簡単に発生します。
路上の教習の場合に限定しますと、そこまで厳密には考えなくても結構でしょう。

それよりも、何故、教官によって言い方が異なったのでしょうか?
道路や、交通の状況にもよるとは思いますが、貴女の運転の仕方を見て、「クラッチを踏んだまま!」と言ったような気がしています。
残念ながら、私は貴女の助手席に座っていたわけでは有りませんので、あくまでも推測になってしまいますが。
「能書き」を言えば、曲がるときは(曲がるときでも)クラッチを踏まないのが基本です。

車輪を惰性で廻すのではなくて、常にトルク(回転力)を車輪に与えている事が大原則になります。
クラッチを踏めば、一時的にエンジンのパワーが車輪へ伝わらなくなりますので。
訳も分からずに、クラッチを踏んだり戻したりするクセをつけてしまうと危険ですよ。
特に、積雪や凍結した道路がそうです。
怖い気持ちから無意識にクラッチを踏んでしまったりすると、車はどっちへ滑ってしまうか、検討もつかなくなります。
これは、極力クラッチを踏まないほうが良い場合の例です。
但し、ギアチェンジの時にクラッチを踏まないで− とは申していませんので。

貴女の右左折の、運転のクセはどうでしょう?
トップギアのままで、止まりそうなくらいにまで速度を落として、エンジンをカラカラと言わせていませんか?
もしもそうだとすれば、車は可哀想だし、エンストしてしまえば危険な事もあって「クラッチを踏めーっ!」と、隣で叫んだので有りませんか?
その様な場面では、適切な指示だと言えます。
一番良いのは、あらかじめギアを落としておいて、クラッチを切らずに曲がって行くのが、理想です。
「仮免」の人には、あまり理想は追求できませんので、貴女や、そのときの状況に応じたアドバイスをしてくれているような気がしていますよ。
あまり丁寧に教えるのも面倒だし、理屈ばかり詰め込んでも仕方がありませんから。
第一、走行中にシフトダウンとか、エンジンブレーキなどと難しい事はやらせていないと思いますが。
もう少し、スピードの低下をほどほどにして、さっさと曲がってしまえば良いのかも分かりません。

で、私の運転の仕方を参考までに。


3. 状況により変化!?

私は、毎日、マイカーで通勤しています。
かなりの田舎みちも走ります。
狭い道や曲がりくねった道も。

「足の使い方」ですが−

‥広い道から狭い道へ曲がるとき
やや速度も出ていますし、後続車も追ってきているような状況のとき・・・ 早めに方向指示器を点滅させて、
(「手」も忘れずに・・・(笑))
ブレーキランプを早めに2-3回パパッと点滅させておいて、 車間が詰まり過ぎるのを予防するために、速度はダラダラとは低下させないで、
左折の直前よりも少し手前くらいでブレーキをかなり効かせます。

シフトダウンはしていてもいなくても、目一杯スピードを落とさなければならない 狭い道に入るときは
・・・・・ クラッチを踏んでエンストしないようにしますね。当然です。
曲がった後の立ち上がりでは、ギアを落としてからアクセルを踏んで加速します。

もう少し細かく説明しますと、
・曲がるポイントの少し手前くらいでしっかりと減速する。
 無理にシフトダウンは行なわなくても良いでしょう。
・スピードを失わない感じのままで、クラッチを切った状態でコーナーを抜ける。
・曲がり切った辺りで(出来れば曲がる前に)ギアを2速(あるいは1速)あたりに落として、クラッチをゆっくり戻しながらアクセルを吹かしつつ加速して行く。

上級テクニック(取り合えず、今は忘れておいてね!)としては、 ここで、ダブルクラッチです。
クラッチを踏んだときに、ギアを抜きます(ニュートラルにする)。 そして、ニュートラルになったと同時に、すばやくクラッチをつないで、
またクラッチを切ると同時にギアをシフトダウンしてクラッチをつなぐ。
滑らかに、シフトダウンと加速が出来ます。
(タイトコーナーを曲がって行くときに、こんな事をやっているヒマは無いでしょうが。)
混乱するといけないので、車に慣れてから、安全な場所で充分に練習して下さい。


4. 基本とは?

今の貴女にとっては、多分、以下の事柄が当てはまりそうな気がしています。

+-+-+ めりはりを付けること。

+-+-+ 加速するなら、はっきりとアクセルを踏み込む。

+-+-+ ブレーキは遅れないように。

タイミングが遅れて急ブレーキになれば、追突される危険があります。
(後続車に対して、追突させるような運転はしない)
踏むときは、しっかり踏む。
エンストするまで速度を落とさないで、さっさと走る。
走れない状況では、止まって待つ。
出来れば、低速走行はギアを落としてから。