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なぜ困っていますか?

(注)下り坂をそのまま前進する、バックで坂を上る、と言ったバリエーションも考えられるが、 ここでは取り扱わない事とする。

恐らく、次のような事で困っているケースが多いのでは無いでしょうか。

  1. 逆行する。
  2. 発進するまでに時間がかかる。
  3. エンストしてしまう。
  4. やたらとエンジンを吹かしてしまう。


一番大きな原因は?

分かり切っている事ですが、登り坂では車が後ろへ下がろうとする力が働いているからです。
自然の法則ですね。
平坦な場所では、この様な力が働いていないので楽な訳です。
力学的な考察 : じっくり頭で考えて見ましょう。
やや面倒な話しを引っ張り出してしまいましょう。

耳慣れない方も多いかも知れませんが、ベクトル図で車に働く力(大きさと方向)を考えてみましょう。
尚、画面上で右側を進行方向と定義します。

図-1
平坦地で静止している状態。
下方(鉛直方向)への重力のみが車に作用している。
図-2
傾斜地で、逆行する力が働いている。重力は、抗力(留まろうとする力)と、坂を逆行する力とに分解される。
図-3
逆行力とバランスする加速力(または制動力)を与えて、傾斜地で静止している。
図-4
逆行力よりも大きな加速力を与えて、発進。合成ベクトルは前向きとなる。
トラック
トラック
トラック
トラック
図-2の状態
この図の状態は、まだ駐車している状態です。
仮にアルセルを開いてエンジンを吹かしても、ギアが入りクラッチが繋がった状態では無いので、下向きの力と後ろへ下がろうとする力だけが、車に作用している。
(実は、この図では逆行する)

この状態で逆行しない理由は、フットブレーキあるいはサイドブレーキの作用で、逆行する力に対抗しているからです。(ギアを入れて、アクセルを吹かして、半クラッチ、というのもアリですが)
正確に図を書けば、「制動力」として別の矢印を考える必要がある。
すなわち、「図−3」の様に右向きの「制動力」を書き加える。
タイヤと路面の間の摩擦力に頼っている場面です。